有澤文太さん(大学院2年)が、日本基礎心理学会第41回大会で、簡易脳波計を用いた喫煙欲求感情の定量計測に関する研究のポスター発表を行いました。
【概要】 禁煙治療では喫煙状況やニコチン摂取量の客観的なモニタリング等が行われているが、再喫煙率が高いことから、ニコチン依存を正確に診断できていない場合があると考えられる。そこで本研究では、脳波に着目し、一定時間禁煙した喫煙者が喫煙に関連する静止画又は動画を目視したときの脳波から、喫煙欲求を計測できるか実験を行う。実験は、脳波の4つの状態、閉眼時、喫煙に関連しない中立静止画、喫煙に関連する静止画又は動画を目視した脳波を記録するシステムを開発し、喫煙者と非喫煙者の脳波データの収集を行う。また、収集されたデータは、閉眼時の脳波の中央値で標準化され、閉眼時以外の両者の各周波数成分の有意差検定やクラスター解析を行う。その結果、喫煙に関する静止画を目視している状態のα1~3波では有意な差が見られ、またニコチン含有量が高いタバコを喫煙している喫煙者は、これらのパワースペクトル値が高い傾向があることはわかった。